「気持ちいい」に、貪欲に

vol.4 突っ込み突っ込まれ…セックスと笑いの相性は似ていると気づいた、セフレとのセックス

vol.4 突っ込み突っ込まれ…セックスと笑いの相性は似ていると気づいた、セフレとのセックス

切ろうと思えない、彼という存在の良さ

一年前、私は7つ年下の男の子を溺愛していた。
彼と会うのは一年振りだった。

去年、私が彼との約束を仕事の都合で断ってしまい、それ以来、彼は連絡をよこさなかったのだ。私からも連絡をしなかった。

その後も仕事が忙しかったり、別の相手が出来たり、決定的な理由があったわけではないが、なんとなく時間が空いてしまった。
自分のを棚に上げて、なぜ連絡してきてくれないのかと彼に苛立ったりしたこともあったが、そのまま気付けば一年が経過していた。

連絡が来なかった間も、私はずっと彼に会いたかった。
彼が好きだからとか、かっこいい顔を拝みたかったとか、そんなことより何より、彼とのセックスが良すぎて記憶から消すことが出来なかったからだ。

挿れて良し、動いて良し、舐めても良し。
どんな用途でも最高なプレイを見せてくれるちんぽ界の大根的万能な彼のモノと、その持ち主である彼が大好きだった。

「新着メッセージ1件」

朝、寝ぼけながら携帯をチェックすると新着メッセージ1件の表示があった。
しばらく見なかった彼のトーク画面が一番上にあった。
苛立ってた気持ちなど嘘のようにどこかへ消えてしまい、尻尾をブンブン振り回して会いに行ってしまった。

駅まで迎えに行った彼は一年前と何も変わらなかった。
それが一年前の続きが始まったような気持ちになってたまらなく愛おしい。
なんて単純なんだろう…と一瞬自分の甘さに情けなくなるが、好きな男とセックスが出来るのだ。
ポジティブに考えたもの勝ちだ。気にはしない。

一年ぶりの、いつも通り

ホテルに入ると、いつも通り彼は照明やBGMの調節。
私はお風呂の用意と、自分の担当作業を手際よく行う。
一年前となんにも変わらない役割分担。
手際の良さにふたりで顔を見合わせて笑ってしまった。

「なんか一年も会ってない気がしないね」
「忘れてるだけで、実は一昨日会ってる?」
「会ってたらこんなすぐ呼ばれて飛んでこないわ(笑)」
そんな会話をしながら、見上げるぐらい背の高い彼に両手で顔を持たれてのキス。
私のありとあらゆる五感を刺激してくる。

女性の中では背が高い方に分類される私は、男性を首が痛くなるぐらい見上げることなんてそうそうない。
彼とのキスはそんな貴重な体験が毎回出来て、それだけでドキドキしてしまう。

彼は私が顔を持たれてキスされるのが好きなことを知っている。
さすが、私の性癖検定1級保持者だ。
言わなくても好きな事を覚えていて行動してくれる、それがまたものすごく愛おしい。

とにかく早くセックスがしたい、下品でもなんでもなく素直に我慢ができなかった。
私はこの日まで幾度となく、彼を自慰行為のネタにしている。
彼も私を使ってくれていたようで、いよいよ本物と久しぶりの本番。
モタモタしてる余裕なんかない。

恒例行事

ふたりでさっさとシャワーを浴びる。
以前はお風呂にお湯を貯めて、ふたりでつかりながら近況報告をしていたが、さすがにそこまでの余裕はないので割愛。

ボディーソープを泡立てて、自分より先に彼を洗ってあげるのもいつもの恒例行事だ。
「うちの店初めてですか?」
「あっ、こういうお店自体初めてなんです」
「そうだったんですか〜?え〜初めて嬉しい〜(笑)」
お決まりのソープランドごっこもセットで絶対にする。
それも含めての恒例行事だ。

設定はいつも変わらず、初めて風俗に来た客とベテラン嬢。
ちなみにそういう仕事をしたことはないので、全てが想像の会話なのだが、コントを進めていくと決まって彼がまじのトーンで、
「え、(こういう仕事)やってた?」
と聞いてくるのが楽しかった。

まずいな、やっている行為はエロでしかないのに全然エロい雰囲気にならない。
でもものすごく楽しい。居心地がいい。

一年越しのセックスが最高でないわけがなかった

ふざけてばかりいるが、早くしたい気持ちが抑えられず小走りでベッドへ。
私はベッドの右側から、彼は左側から。
漫才師がステージの両サイドから登場する時みたいだな…なんてくだらないことを考えていた。

すると、彼が聞こえるか聞こえないかぐらいの声で
「はいどうも~」
と言ったのを私は聞き逃さなかったので、
「アンアン言うてますけども~」
と同じぐらいのボリュームで返すと彼が笑いながら抱きしめてきた。

「もう、なかなか始める雰囲気にならないでしょ?」
こっちのセリフだよ、と思いつつこの雰囲気も好きだったんだよなぁ…と思い出してはほんわかした気持ちになった。
今までふざけていたのはなんだったのか、と思うぐらいセックスはすんなりと始まった。

ともかく、セックスは最高だった。

そうそうこれこれ!
久しぶりに実家に帰って家のカレーを食べた時の懐かしさ。
一年間もしてなかったとは思えないしっくり具合。

お互いに一番気持ちいい相手、それがお互いなのだから一年会わなくても関係を断ち切ろうとは到底思えなかった。

なぜこんなに彼のセックスはいいのだろう。
もちろん、彼の触れ方が丁寧であったり、こちらの要望をすべて汲み取ってくれたり、モノがよかったり、単純にテクニックのレベルが高いことや、お互い求めているプレイスタイルが合致していること以外に理由がある気がする。

性欲と笑いの欲は似てる

実は、なんとなくその理由はわかっている。
私たちは「笑いのツボ」が同じなのだ。
悲しいかな、関西人は人にウケるということにも快感を得てしまう生き物だ。
私も彼も生粋の関西人。

ボケたりツッコんだりが出来ないと、性欲同様欲求不満のような状態になってしまい、私なんかは自慰行為的にテレビに「いや、なんでやねん」「そんな訳ないやろ」とツッコんだりしている。

彼は私の性欲と、もう一つ笑いの部分の欲求も解消してくれていたのだ。
そう思うと妙に納得がいったし、彼に会ってからテレビに向かって独り言を吐く回数が格段に減った。

私はおもしろい人が好きだ。
こうやってふたりでふざけられる関係が心地いい。
彼がボケたことを、すべて漏らさずに拾って返すのが気持ちいい。

きっと、彼もまた私と同じような気持ちだったに違いない。
再会してから彼がボケたりツッコんだりした回数を思い出せば明らかだったから。

変な形で繋がってるなぁと苦笑いしたが、あの不毛なコントも掛け合いも、意味のあるものだったと思い全てが愛おしく感じた。

また、突っ込みたくなったら連絡が来るだろうし、私も突っ込まれたくなったら連絡したくなるだろうな。
いろんな意味で。

ヤバイ性欲屋さん。

プロフィール

ヤバイ性欲屋さん。

インドア根暗のアラサー女、日々苦戦している様子をTwitterに綴っています。

Twitter:@tama__ranchi